「社会的養護で育ったユースのつどい」実行委員の研修会を実施しました。

「社会的養護の当事者活動全国ネットワークこどもっと」では、社会的養護で育った若い人たちが集まり、“一人じゃない”と感じ、安心して語り合い、楽しい時間を過ごす「社会的養護で育ったユースのつどい」を開催する準備をしています。この「つどい」を運営する実行委員の研修会を、11月29日(日)に朝日新聞東京本社で開催(社会的養護の当事者活動全国ネットワークこどもっと、朝日新聞厚生文化事業団主催)。全国の社会的養護で育った11人が参加しました。

講師は、米国のハワイ州で死別や離婚、虐待などで親と離ればなれになった子どものグリーフやトラウマのケアを重視して活動するNPOキッズ・ハート・トゥー・ハワイの創設者で、フォスターケア(米国の里親養育)で育ったシンシア・ホワイトさんです。同団体の副代表で日本の児童養護施設で育った伊藤ヒロさんも駆けつけました。

まず、参加者が「子ども時期の経験が今の自分自身にどういきているか」を語りながら自己紹介を行い、シンシアさんが「当事者が集うことの意味」について説明。その後、ロールプレイを通して、語り合いのプログラムを運営するうえで欠かせないスキルについてともに考えました。

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「社会的養護で育ったユースのつどい」については今後ホームページなどでお知らせいたします。

研修会「いっしょにアクション!」~社会的養護の子どもと若者のための”新こどもっと”~を実施しました。

社会的養護の当事者活動をする全国の人が集い、力を合わせることで、社会的養護で育った子どもや若者が安心して暮らせる社会の実現を目指す「こどもっと」。

当事者活動を行っている人などと「全国の当事者が力を合わせてできること」を考える研修会を6月21日(日)に東京都中央区の朝日新聞東京本社で開催(社会的養護の当事者活動全国ネットワークこどもっと、朝日新聞厚生文化事業団主催)しました。

米国のハワイ州で死別や離婚、虐待などで親と離ればなれになった子どものグリーフやトラウマのケアを重視して活動するNPOキッズ・ハート・トゥー・ハワイの創設者で、フォスターケア(米国の里親養育)で育ったシンシア・ホワイトさんも駆けつけました。

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まず、参加者で自己紹介や「こどもっと」が全国の当事者活動のネットワークとして作った指針(マニフェスト)を確認しました。次いで、だいじ家代表でこどもっと副代表の塩尻真由美さんが、パワーポイントを使って「こどもっと」のこれまでと現状を解説。

その後、ネットワークでのこれからの活動を考えるために、まずは、100年後の子どもたちが暮らす理想の社会を一人ひとりが考え、発表し、「そもそも社会的養護という言葉がなくなっている」「誰に育てられても、どんな育ち方をしても自分が“なりたい大人”になれる」などの思いが共有されました。

その後、理想を実現するために1年後の目標を立て、そのために個人やネットワークでできることを話し合いました。

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シンシアさんは参加者の発表を聞き、「このようにみんなの想いを発表し、共有する機会を持つことによって様々な波紋が生まれていく。非常に嬉しく、力強く感じる」と述べた後、子どもや若者の声に耳を傾けるピアサポートに欠かせない、トラウマとグリーフに関する解説を行いました。

その中で、シンシアさんは、子どもを支えるために自分自身と向き合うことの大切さを強調しました。

研修を終えて

社会的養護の当事者活動全国ネットワーク「こどもっと」は当事者活動を全国的なものにできるよう、全国の仲間とつながり、ともに考え、学び、子どもたちの声を社会に発信するために今後も活動して行きます。

団体名が新しくなりました。

2015年5月に名称が「社会的養護の当事者グループ全国ネットワークこどもっと」から「社会的養護の当事者活動全国ネットワークこどもっと」に変わりました。

社会的養護の活動をする全国の当事者が力を合わせ、子どもや若者が安心して暮らせる社会の実現のために、みなさんと力を合わせて活動していきたいと考えています。

ピアキャンプのご報告

「こどもっと」は「高校生と当事者スタッフが全国の仲間と出会い、富士山のふもとでいっしょに楽しみ、自信や希望をたくわえ、心がもっと元気になること」を目指し、ピア・キャンプを開催しています。

過去のピアキャンプのご報告はこちらから

テレビドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ) 第一話の放送について

テレビドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ)第一話の放送について、社会的養護の当事者グループ全国ネットワークこどもっとの見解を公表いたします。

当団体公式文書は下記のpdfからご覧下さい。

明日ママがいない 第一話の放送について pdfはこちら(公式文書)

公式文書の内容は下記の通りです。

テレビドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ)第一話の放送について、社会的養護の当事者グループ全国ネットワークこどもっとでは、以下のような見解を持っています。

①  現実の子どもたちの安心、安全が脅かされることは許されません。

社会的養護で暮らす子どもがさらなる偏見にさらされたり、差別を受けたりすることは決してあってはならず、このドラマの影響を懸念します。今後の放送にあたり、テレビ局には、実際に子どもたちが感じていることを取材し、現実の子どもが傷つくことのないよう配慮を望みます。

②  社会的養護で暮らす子どもの現実を多くの人に正しく知っていただくことが大切だと考えています。

ドラマで描かれている児童養護施設の職員や里親などによる体罰、精神的虐待は、当然許されないものです。ただし、ドラマの構成上とはいえ誇張した表現によって「すべての社会的養護でこうしたことが起こっている」との誤解を受けることは、結果的に今もそこに暮らす子どもたちの不利益につながります。

子どもが安心して自信を持って生活するためには、社会的養護の実際についての多くの方々の正しい理解と、そこに暮らす子どもたちの声に社会が耳を傾けてくださることが不可欠だと考えています。

③  社会的養護の子どもたちの気持ちが受け止められることが必要です。

児童養護施設で暮らしている子どもから、「共感できた場面(子どものセリフ)があり、励みになった」という反応がある一方で、「同じように(ドラマで使われている差別的なあだ名で)学校で呼ばれるかもしれないのでやめて欲しい」という声もあり、子どもはさまざまな反応を示しています。施設職員や里親などの周囲の大人には、そうした反応を示している子どもの意見を聞き、気持ちを受け止めてほしいと考えています。